超ホモ・サピエンス日記サテライト。

このブログはノンフィクションです。

ホワイト・ゴッド(2014)ハンガリー映画

私史上、いちばん大好きな動物映画になった。

はーーげーーーーん!

www.whitegod.net

日本で公開になったのは、ついこないだの12月くらい。でも2014のカンヌ・ある視点部門でグランプリにとってます。ハンガリーの映画なので映画全体の雰囲気は、暗く静かなスタート。でも、物語は少女とハーゲンという名の犬を軸に展開していくので、難解さはありません。

eiga.com

今年は、アカデミーでもハンガリー映画の「サウルの息子」と言う映画がノミネートされている。このところ、ハンガリーの映画いい波が来ているのかも。東欧はいろいろ、逆に独自の空気感があるので今後是非、活況になって欲しいと思う。ドイツの経済がヤバイ昨今(VW・難民問題どうなるのでしょうね?)東欧やロシア勢にもがんがん面白い映画を作って欲しいなと思う。

 

映画の良い所は、見てみないとわからないこと。趣味嗜好だけではなく、ストーリーを事前にわかっている場合でも、見てみないとわからない。「ああ、こういうことか!」とか「こう、きたか!」とか、常に驚かされることや、いい意味で裏切られることが楽しみなモノだ。それが、「映画は体験」だと思う理由だと思う。 

思いがけないから、面白いし、がっかりするのも楽しい。

 

さて、この「はーげーーーん!」は、主人公の少女がいいのだ。さらになんといっても、主役はハーゲン!雑種。デカイ。でもいいねえ。この飾り気のないブラウンとぶっとい手がたまらないす。

見所のひとつである250匹の犬は、全て保護犬である。つまり飼い主のいない犬。

そして、その犬たちを、ハリウッド屈指のアニマルトレーナーが、トレーニングをし、この壮大なるシーンを撮影している。その犬たちは250匹全てが撮影後、新しい里親が決まり家庭に迎えられたという。素晴らしいですね。

 

さて、映画に戻ろう。ムンドルッツォ監督は「大衆が搾取する権力に向かって立ち上がる姿を描きたかったのです。さらに言えば、従うべきルールを形成していく社会と、そういうシステムをまったく理解せずに生きている少女とのコントラストを懸命に描いています。少女としてのイノセンスさを失い、大人になろうとしているリリの年齢も意図的に選びました。リリは保守的な社会や大人たちに牙を剥く唯一の存在なのです」

 

うーーむ、社会派。

迫害される雑種犬たちは、そのままマイノリティや、社会的弱者と重なる。

なによりも、無理やりにさせるのではなく、トレーニングで遊びながら撮影した所がなんといってもすごい。これが最先端のドッグトレーニング技術じゃ~。

 

以下、引用(出典:eiga.comより)

 

賢いハーゲンを演じたのはルーク、ボディの兄弟犬だ。ムンドルッツォ監督は、「ファミリー犬だけど、映画のために野生のワイルドさを演じられる才能を持った犬」を求め、6カ月かけて2匹にめぐり合った。「子ども時代の犬の思い出がとにかくイキイキしていたので、ハーゲンもイキイキとした遊び心のある演技をしてもらうことが必要でした」と生命力に満ちた姿をとらえた。

www.youtube.com

「犬たちとのトレーニングや僕たちが構築したシステムとのコンビネーションで引き出しました。撮影中も犬たちが自由にできるようにいろいろと考え、デジカメのズームレンズをたくさん使い、彼らに対応できるフレキシブルな形をとったのです。大体2~3台のカメラを使っていて、何度もリハーサルを繰り返して本番に入るのですが、犬たちにとってはずっと遊んでいるような感覚になるようにして撮影しました」f:id:yukisiratori:20160131134752p:plain

 

物語が佳境を迎えると、ハーゲン率いる250匹の犬が都会のど真ん中を疾走し、見る者を圧倒する。

 

「あれだけの走る行為は大体2回、最高でも3回くらいしかさせられないので、綿密なプランが必要でした。実はあのシーンには100人ものトレーナーを使っているんです」と撮影は困難を極めたが、CGに頼らない迫力を映すことに成功。

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「最初から頭の中にひらめいていました。どうしても形にしたかったし、この映画のアイコン的な、内容がどんなものか感じ取れるシーンにしたかったのです。僕にとって特別なシークエンスで、ものすごく大切なシーンでした」とカギとなる強烈な映像が完成した。 

ハーゲンの反乱と同時に、家族との確執、疎外感、初恋と少女リリの物語も紡がれる。「これは人間の物語ということもできるし、社会を映す鏡として犬たちが出ています。違う観点から同じ社会というものを見据えたかったので、この物語をつづるにはパラレルなストーリーが必要でした」と二者の視点を取り入れた。

 

作品スタイルも独特でヒューマンドラマ、ロマンス、サスペンス、ホラーなどひとつの枠組みで語ることができない。

フュージョン(ジャンルの融合)は非常に面白いけれど、この物語はリアリティからきていることが大切だったので、現実を反映させるのにフュージョンは使えないと思いました。社会主義の時代が終わり、グローバリーゼーション、もっとハードな資本主義的思想、SNS時代に自分のアイデンティティを模索しているような今、すべてのジャンルが混在しています。ブダペストの街角も、メロドラマがあればアクション、社会派ドラマも同時に存在している。バランスをどう取るかということが苦心したことのひとつです。結果的には面白いものができたと思うし、このマルチジャンルな作風はこれからも続けたいです」

 

いや~あ~、映画ってほんとすき。

 

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