超ホモ・サピエンス日記サテライト。

このブログはノンフィクションです。

グレイ氏は、50の顔を持つように見えない…

 ラジー賞部門を制覇の「 ふぃふてぃ・しぇいず・おぶ・ぐれい」(2015)についての考察を、昨日に続き書きます。

yukisiratori.hatenablog.com


「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」 予告編動画 7/2(木)リリース!

www.afpbb.com

 ネタバレ注意報。

さて、絵に描いたようなシンデレラ・ストーリーについてはもう供述いたしましたので、あとはSM(もしくはボンテイジ趣味)一般について。

 

私は全くそういった方面に深い知識はありませんが、性的な嗜好っていうものは

それほど大声で語らない…

のが多分鉄則ですよね。なぜかといえば、あけっぴろげにしてしまえば、意味が無いからですよね。秘するものだからこそ、いいんじゃないですかね。

 

いやあ…とにかく終始一貫してなんと言えばいいか分からないぐらいに

グレイさんが不憫でならないですよ?

私は…涙、ちょちょぎれちゃいますよ!?

http://www.ew.com/sites/default/files/i/2015/02/04/fifty-shades-of-grey-trailer.jpg

秘密の部屋の内装も、めちゃ凝ってるし、これ内装を担当した業者さんとか大丈夫?ちゃんと生きてる?口封じのために消されたりしてないよね?だって、会社の従業員たちに対して「彼女たちは、何も知らない」ってグレイ氏、言ってたよ!ということは、超トップ・シークレットって事ですよね?無事?生存確認したほうがいいよね?

http://www.ew.com/sites/default/files/styles/tout_image_612x380/public/i/2015/04/23/fifty-shades-red-room.jpg?itok=8_B9t5JG

だって、どう見ても超お金かかってそうな部屋だし。博物館みたいな内装だし。

って、それだけ、グレイ氏は「本気」なんですよ。これが、唯一の趣味なの。息抜きなの。ほかは仕事するしかない人生。友達も居そうにないしストレスも発散できなさそう。こういう人が、抑圧した欲求を変な方向でしか発散できないんじゃないかな…なんて、特に心理学とか学んで無くても誰でも脳裏に浮かぶだろ。その推察が果たして正しいかどうかは別として、考えずに居られないはず。それを全部、女子大生と分かち合いたくて、全部開陳して、あの手この手でプレゼンを続けます。

彼女と共に「幸福」になりたいばっかりに。

http://opi.com/sites/default/files/styles/collections_header_slider_-_1366x832/public/collection-fiftyshades-header_0.jpg?itok=HqfNjmJU

そもそも、この画像のグレイ氏の表情を見てください。

眉間に深いシワを刻みつけ、そもそも自分を開放して、思う通りの人生を生きている人間の表情じゃない。これは彼の人生とは、お金もあり、なんでも自由に出来るようでいて、実は、なにひとつ自由になれない、彼の苦悶表情ですよね。無間地獄。

 

それに引き換え、女子大生の恍惚の表情。彼の背中越しにもたれ掛かりながら、気持ちよさそうに目を閉じる。彼女は、いま彼がどんな表情をしているのかどうか、普段からどんな表情をしているのか。一体その美しく曇りの無い瞳には、それが映っているのでしょうか?

 

そもそも【彼が満たされていないのでは?】という事について、女子大生は初期の段階で指摘しています。

「何でも思い通りになるなんて、退屈そうね」

そう、それなのに彼女は、彼女自身の指摘を放り投げたまま、忘れてしまったかのように見える。

 

そして、その後にグレイ氏が告白する、こういう性癖が始まったきっかけは「15歳の時!に年上の女性に、手ほどきを受けた」という告白を受けます。で!「えっ!」とかいって、戸惑いの表情を見せる、女子大生。その後も、その件の彼女とは「ともだち♪えへ」なんつって、良好な関係を匂わせるグレイ氏に、いぶかしい表情を投げかける女子大生・・・

 

見てるほうはね「お、やっと、女子大生も本気出してきた?そうだよねーこれまでのは、まだ、本気出してないだけだよね~」と思いきや、その期待はもろくも崩れ去ります。

だって女子大生は「嫉妬」しているだけだった・・・orz

 

いいですか!15歳の少年に、そーゆープレイを教えるのは、明らかに犯罪ですよ、犯罪。そもそも、普通の行為ですら虐待なのにハード過ぎます。


第88回アカデミー賞作品賞・脚本賞受賞!映画『スポットライト 世紀のスクープ』新予告編

訴訟社会であり、キリスト教的な一般的教義で考えても、どう考えても訴訟問題に発展するゆゆしき事態です!これまでひた隠してきたので、世間知らずのグレイ氏は自分が犯罪被害者であることにすら気づいていない。それにしても、あまりに無頓着、無自覚。ジェラシーに燃えている場合ではないぞ、女子大生。その相手とは「いまも友人なんだお★」と無邪気に言う彼を、愛しているなら何としてでも彼の心を、守るために。失ったものを取り戻すために、本気出してくださいよ・・・女子大生。

 

と、言う調子でですね、終始女子大生が「グレイ氏の性のとりこになる」被害者のように見せかけておきながら、実態は、さんざん契約書にサインする素振りを装いながら、性的にもちょこっと開発してもらって、結局「はい、さよなら」という、世にも稀なる自己中心的な若いオナゴの願望映画にしか見えないです。

http://i.imgur.com/dT8Z3PH.jpg

十分、お姫様状態なのに被害者意識がダダ漏れ

 

そして、タイトルの「グレイ氏の50の顔(人格)」と、おっしゃいますが、私は最初から最後まで、終始一貫して

「母親に置き去りにされた、おびえた少年」のひとつの表情にしか見えませんでした。

この少年が、どんなに激しいプレイで感情を開放させて50の表情をみせたところで、そもそもその根っこの部分にあるものは1つの大きな不安であり、この世界で生きることそのものへの恐怖のようにしか感じられません。そう、それは孤独であるということ。

 

なぜなら、彼が「ドミナント(支配者)」のポジションに執着する事が、どうしても、「この世界に対する恐怖」からのように見えてしまってならない。

 

幼少期や性的な過去についての詳細な描写がありませんから、少なくとも現在からだけの情報を見てみます。

 

そもそも、この不安定な現代社会において経営者である事。しかも若干27歳。そして、どうやら2世ではなく自力で起こした会社のようだ。兄も何だか経営にはノータッチのようでお気楽極楽キャラだし、そもそも父親も母親もおそらく養親である。

そして誰にも心を許していないように見える彼に、世界情勢の変化や、最終的に自分を守ってくれる存在が居ないという事実がはっきりと感じられすぎて、それはあまりに過酷に見える。

 

そんな彼が、せめてもの感情の開放として、プライベートの秘めたる小さな部屋で、ままごとのような「支配」を振るう事。

 http://cdn.collider.com/wp-content/uploads/fifty-shades-of-grey-jamie-dornan2-600x255.jpg

それによって、きっと彼は「安心」したいんじゃないか。

怖いから。

 

世界は、暴力と恐怖に満ちていて

実世界を自分がコントロールする…

そんな事は、絶対、出来ない。

 

だからこそ、「プレイ」っていうものは、スポーツでも何でもそうですけれど。

ルールを守って、遊ぶんだよね。

サッカーだったら手は使わないし、野球なら律儀にベースを順番に回る。

それでこそ、ゲームは楽しい。

 

きちんとルールを理解している者たちが、お互いへの敬意を表しながらフェアにプレイするからこそ、ゲームは楽しい。

 

そして、実社会は実は【ノールール】だったりする側面もある中で、彼が唯一安心できるゲーム。感情を開放できるゲーム。それが、性的な快楽をも兼ね備えているという部分が、非常に強く印象に残る。

 

そして、そのプレイに興じる人たちは、暗黙のうちに「相手を叩く事でしか、快楽を得られない」という事に対して相手を受け入れる。理解します。要するに、そこにはひねりがある訳です。

 

相手が好きだから、通常なら痛い思いをさせない。

でも、相手はこの自分を受け入れてくれる。だからこそ。

痛い思いをさせても、自分を嫌いになる事は無い。

そういう安心感。

そして、痛いという刺激を得ることによって、生きているという実感を得る事が、快楽につながる人も居る。そういう人に快楽という痛みの刺激を与えられるのは、そのルールを理解している自分だ。いまは自分だけに許された特権だ。

 

そういうロール(役割)をきちんと遂行する、儀式のようなものだと思います。そして、儀式というのは神聖なものであり、誰とでも、分かち合う事のできないものです。

http://cdn.collider.com/wp-content/uploads/2015/02/fifty-shades-of-grey-slice.jpg

だから、こそ!

もったいない映画だったんじゃないかと思います。

これは、グレイ氏を演じたJamie Dornanさんの責任というよりも、そもそもこの映画を「何の目的で作ったのか」という事なんだと思います。

 

そして、それは、やはり結局いろいろ今回調べてみて思った事は、女性たちにとって「妄想を書き立てるようなポルノ作品の需要がある」という事なのかもしれません。

 

だから、この映画の続編を見たい人たちが沢山居てもいいとは思うけど

私は、これは「映画としてみたときには」非常にがっかりすると思います。

「女性向け、ポルノ作品」のかなり美的なもの…と捉える意味では、ありかな…とも思います。でもね、こういう女子大生に自分を重ね合わせてしまうのは、かなり独りよがりだと思う。「グレイさん、カッコイ~」「また、見たい~」の方が、まだ健全だと思う。

 

とりあえず、女性なら、重ね合わせて妄想するならいいけど、そもそも恋愛の楽しさって、高スペックの対象に惚れられるとか、求められるっていう点じゃないぞ。

 「特別な存在」ていうのは、もっともっと人間としてのお互いの存在と密接に関わる問題で、それ自体が、自分を成長させて豊かになれることだからこそ「特別」になる。だから、この女子大生のように表面上満足で終わらずに、ヒト皮もフタ皮も剥けるような素敵な恋愛。成長のある恋愛がプラスなんじゃないかなあ…と思います。

 

総括してしまいますとね、

そもそもこれねー半分以上はセクシャルというよりも、

中学生のディズニーランド・デートを、

ひたすら眺めさせられる。

https://media.giphy.com/media/LPQo7sGcmtUUo/giphy.gif って感じなんですよね・・・

それをひたすら眺めてる、こっちの身にもなって下さいよお・・・

 

ちなみに、この候補に挙がりながら実現しなかったグレイ氏と女子大生。

https://brabbu.com/blog/wp-content/uploads/2015/02/BRABBU-introduces-you-Fifty-Shades-of-Grey-Cast1.jpg

そもそも、これだけの人数の俳優がオファーを蹴っているのは、セクシャルシーンへの抵抗だけではなくて、脚本がイマイチだからなのではないのだろうか・・・

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